言葉を話すチ

言葉を話すチ
渋谷Bunkamuraで開催していた折、滑り込みで観て参りました。
生憎と東京展は終わってしまったのですが、6月18日(土)より神戸市立博物館へ巡回するとのこと。関西地方の方、ぜひ! これは面白い展示でしたよ~!

恥ずかしながら浮世絵の知識はサッパリだったので、「俺たちの国芳、わたしの国貞」という標記を見ても最初は「なんのこっちゃね」と首を傾げてしまったのですが、ひとくさり展覧会を観てきた後は「なるほど~」と大きく頷いた次第。
ハイライトとしてはまさにこの一言。

永遠のライバルだった国芳と国貞。そんな2人の作品が、死後150年以上たってから、仲良く展覧会場で並ぶとは思いもよらなかったことでしょう。(アートライター・木谷節子)

国芳と国貞ってライバル関係だったのですね(そこからか
2人とも幕末の歌川派の人気浮世絵師なのですが、育ちも画風も実に対照的だと感じました。

まず、国芳はベランメエ言葉を話すチャキチャキの江戸っ子。雑草根性たくましく野郎に人気で、妖怪とか戦闘とかダイナミックな画が得意。平成の今でこそ誰の目にも分かりやすい楽しい作風だけれど、当時は必ずしも「売れる」題材ではなかったのではないかなぁ、というのが率直な感想。頑なに好きなものを描いている反骨精神を感じて、私自身は国芳の画のほうが好きでした。
作品としては『鬼若丸と大緋鯉』とか、公式サイトの「作品紹介」にもあるやつだと『讃岐院眷属をして為朝をすくふ図』とか、『相馬の古内裏に将門の姫君滝夜叉妖術を以て味方を集むる大宅太郎光国(おおやのたろうみつくに)妖怪を試さんと爰(ここ)に来り竟(つい)に是を亡ぼす』とか。
ストライクだぜ……

これら、ギリシア神話ならばまさにダビデとゴリアテの戦い的な興奮があります。ゲームで例えるならば『ワンダと巨像』。小さいものが自分より巨大なものに立ち向かっていく姿が好きなんだ……何を言わんとしているのかは見て頂ければ分かるはず。
で、こんな物々しい画を描いているというに、

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Posted by gurietu. at 2016年06月17日16:30

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